大震災後の今を見て学ぶこと(その1)

2015年02月25日

阪神淡路大震災から20年が経過した神戸に行きました。
街や人の様子からは、そんな大きな災害に遭ったとは想像しにくいほど今は活気にあふれています。

ほとんどの学生の記憶にはない時代の災害ですが、当時の国民が受けた衝撃の大きさは計り知れず、 この震災が防災意識を高めるきっかけになったのは事実だと思います。

「生かされた命」という表現をときどき目や耳にしますが、どのように解釈しても私には少し違和感があります。
大切な家族や友人を失った悲しみや痛みを抱えた人が大勢いて、心の傷が癒えないことは想像に難くありません。
でも、お叱りを受けるかもしれませんが、残された者はいやいや生きてるわけではなく、生かされているわけではないと思います。

事実、多くの人の心が前向きになっていて、今の街の姿があり、人々の生活があります。
「忘れてはいけない」「風化させてはいけない」などの声ばかりがクローズアップされがちですが、 あの震災がなかったら、といくら思っても過去は変えられない以上、不幸にして命を絶たれたあの人がしたいと思っていたこと、 あるいはしただろうと思うことを自分が代わってする、という意識こそが「忘れない」ため、「風化させない」ために必要な気がします。

あれがなかったらと嘆くのではなく、遠回りになったとしても、目指していた姿に近づける努力を続けることが 亡くなった、かけがえのない人たちへの恩返しになると思えば、むしろこれまで以上に生き抜くことに真剣でなくてはならないと思うのです。

短大

山本 航
YAMAMOTO Wataru

プロフィール

リゾート観光開発の会社で観光事業に10年ほど従事し、専門学校のホテル科講師を経て、現職に至っています。
「みんなが反対することは、やってみる価値がある」(セブン&アイ 鈴木敏文氏)や、「稼ぎたければ、働くな!」(未来工業 山田昭男氏)など、個性的な変わり者と呼ばれる経営者の手法に強い関心があります。
人まね一色は基本NG。

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