卒業生から考える

2014年02月12日

私が大学教員になって最もうれしいのは、卒業生が訪ねて来てくれるときである。

12年前に私のゼミを卒業したわがゼミの1期生のK君とI君も、研究室にしばしば来てくれる。 一緒に2人で来ることはなく必ず1人で来る。 彼らには、それぞれの結婚式にも招待していただいた。
彼らをみてエライなあと思うのは、2人とも営業マン(自動車とホテル)であるのに、卒業してから現在に至るまで、一度としていわゆる「セールス」をしないことである。
卒業生の中には、ボーナスの時期をねらって訪ねて来るものもいるが、彼らはそういうそぶりを一切見せない。 この姿勢が立派なので、できる範囲で協力はしている。協力をしたくなる。

この2人、「営業職」ではあるが決して能弁なタイプでなく、どちらかといえば口下手の部類に入る。 しかし、聞き上手で相手の欲しているものを察知して わがゼミのモットーである「頭のよい人間ではなく頭が使える人間」を具現化している。 共に営業成績はトップクラスで何度も
社長表彰
を受けているらしい。

就職活動をしている学生の「私は口下手だから営業にはちょっと…」という話を聞くたびに、この2人の話をしている。

大学

川島 哲
KAWASHIMA Satoshi

プロフィール

1964年生まれ。
埼玉県北埼玉郡大利根町(現:埼玉県加須市)出身。
財団法人 電気通信政策総合研究所専任研究員を経て、2000年4月から本学専任教員となる。
アジア地域研究を専攻しているが、最近のアジアの地域連携に特に関心をもっている。
趣味は映画鑑賞。

アーカイブ

この投稿者の新着記事

page top