椅子の背と、品格と。

2018年03月29日

毎年この時期に一年の振り返りをするのですが、今年度は、天皇陛下と皇后陛下がご臨席なさる晩餐会にご招待を頂いた日に感じた「品格」について、振り返りたいと思います。
 
その日は、授賞式や演奏会、晩餐会と、かなりの時間を要するものでしたが、その中で、教育に携わる者として非常に感動したことがありました。その日、皇后陛下が一度も「椅子の背」をお使いにならなかったことです。半日以上の長時間、ご高齢でいらっしゃるにもかかわらず、お座りになるとき、どの場面においても一度も「椅子の背」にお背中をおつけになることがなかったのです。それは非常に些細なことかもしれませんが、女性としての品格を非常に感じ、誠実なお人柄を感じ、大層感動いたしました。
 
また、品格に関して最近思うことですが、棋士の藤井六段にも、棋士として、ひとりの人間として品格を感じます。15歳という若さに、品格を備えるということに年齢は関係ないということを、あらためて教えていただいた気がします。

星短は、県内唯一の女子短期大学であり、女性として、また一人の社会人としての品格を育む教育に関しても力を注いでいます。今年度も多くの女子学生が卒業しました。4月には、また新しい学生が希望を抱いて入学してきます。
 
本学での学びや経験が彼女たちの教養につながり、「品格」を育む肥料となるような支援ができるように、私自身今後も精進していかねばと思います。
 「椅子の背」を見て、あらためて思う3月の最後の週となりました。

短大

信川 景子
NOBUKAWA Keiko

プロフィール

金沢星稜大学女子短期大学部 教授
研究分野は、キャリア形成、人的資源、ホスピタリティ。
関西から石川県に引っ越してきて、一番驚いたことは道路に埋め込まれた融雪装置。
冬が来て、シャワーが出る道路には本当に驚きました。
趣味はドライブ、特技はフランス語。

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