学生の就職活動から思うこと
2014年03月04日
私のところにも連日、学生が履歴書の担当教員コメント欄記入の依頼にやってくる。もちろん、その学生の「良いところ」を褒めて記述する。何も褒めることがないような学生も、良いところをみつけて褒める。
その履歴書の自己PRや大学生活で得たことなどを読んでいると大変だなあと思いながら、昨今の就職活動の厳しさを感じる。 でもパーフェクトを演じなくともアホなところもみせていいのではないか。
自分が孤立しないためには、仲間にもアホなところを見せておかなくてはいけない。「あいつ、ちょっとしようがないな」と、どこかちゃらんぽらんなところを見せておかないとどこかで足を引っ張られることになる。
(中略)
いいところだけを出そうとするから無理が生じ、それが嫌味になる。いいところを3見せたら、ダメなところも3見せるようにすればいい。
(遠藤周作『考えすぎ人間へ』青春文庫、59~97ページ。)
卒業生から考える
2014年02月12日
12年前に私のゼミを卒業したわがゼミの1期生のK君とI君も、研究室にしばしば来てくれる。 一緒に2人で来ることはなく必ず1人で来る。 彼らには、それぞれの結婚式にも招待していただいた。
彼らをみてエライなあと思うのは、2人とも営業マン(自動車とホテル)であるのに、卒業してから現在に至るまで、一度としていわゆる「セールス」をしないことである。
卒業生の中には、ボーナスの時期をねらって訪ねて来るものもいるが、彼らはそういうそぶりを一切見せない。 この姿勢が立派なので、できる範囲で協力はしている。協力をしたくなる。
この2人、「営業職」ではあるが決して能弁なタイプでなく、どちらかといえば口下手の部類に入る。 しかし、聞き上手で相手の欲しているものを察知して わがゼミのモットーである「頭のよい人間ではなく頭が使える人間」を具現化している。 共に営業成績はトップクラスで何度も
社長表彰を受けているらしい。
就職活動をしている学生の「私は口下手だから営業にはちょっと…」という話を聞くたびに、この2人の話をしている。